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物資に関するQ&A
     
     
 
 
   
 調理品

1, きゅうりなどの甘酢あえを食べて舌がピリピリした
2, ヨーグルトにキウイを混ぜて食べると苦く感じた
3, 里芋を鉄鍋で煮たら、紫色になった
4, しそごはんの素をごはんに混ぜると青黒くなった

 

 
 
  1. きゅうりなどの甘酢あえを食べて舌がピリピリした
【 問 】 きゅうり、いかなどの甘酢あえで、ピリピリしたような味がしたのですが。
 
 【おこたえ】
 ご使用の材料は、きゅうり、いか、いり卵、人参と食酢とのことでした。各種食品事典類の他、東京都発行の「食品の苦情Q&A」(平成3年)や、コープこうべ発行の「商品クレーム事例集」(1994)などの資料も参考にしましたが、手元資料だけでは不明な点も多く、農産物、水産物、などのメーカーの知恵も借りながら調査しました。その結果、どうやらきゅうりの成分によるものであろうとの結論に達しました。資料類の中で、きゅうりによるピリピリ感や刺激味の例があり、苦味成分によるものか過熱による揮発性物質の発生を推定しています。
 きゅうりをはじめ、シロウリ、メロン、トウガン、ユウガオ(かんぴょうの原料)などのウリ科植物には約20種の類似した構造をもつククルビタシンという苦味成分が含まれています。
本体は四環性トリテルペノイドで、植物体中では配糖体になっています。きゅうりにはうち4種が含まれています。メロンに含まれるものはエラテリシンといわれます。熱には安定で、加熱・調理では苦味はなくなりません。しかし有毒との報告はなく、むしろ一部には抗腫瘍性作用があるともいわれいます。
 ククルビタシンの含有量は、気候、生育状態、栽培条件などにより異なります。たとえばきゅうりでは品種によっても異なりますが、頭部が濃緑色のもので、ヘタに近い部分に多いといわれます。また、高温、低温、水不足などの条件で多くなるといわれます。ただ最近は品種改良の結果、ほとんど苦味はなくなったとされています。

 【そして】
 過熱による揮発性物質の発生では、アルコールやエステル類、さらには二酸化炭素の発生によって刺激味や刺激臭を感じた例などがあります。なお、メロンのヘタに近い部分では別の刺激味をもつ酸成分の例もありました。
 人参にもジヒドロイソクマリン系の苦味成分が含まれるようですが、食味としてあまり大きな影響はないようです。また資料などでは、食味に関する違和感については原因が特定できる部分があっても、他に食材料相互の関係や喫食者の体調、その他の条件が複雑にからみあい、難しい部分もあることが触れられています。
 
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  2. ヨーグルトにキウイを混ぜて食べると苦く感じた
【 問 】 ヨーグルトにキウイとみかんを混ぜたところ、苦く感じたのですが原因は何でしょうか。
 
【おこたえ】
 恐らく、キウイに含まれる蛋白分解酵素によりヨーグルトが分解されて、苦味成分ができたためと思われます。
 食品の味は複雑な分野であり、ましてご質問の件については複数の味の取り合わせということも考えられましたので、本会の資料などを調査するだけでなく、乳製品、果物の専門メーカーや食品加工メーカーなどの知恵を借りました。その結果、過去にもヨーグルトとキウイの取り合わせで苦味が出た例があり、次のようなことが判りました。
 今回使用された材料のうち、それ自体で苦味をもつ可能性のあるものはヨーグルトとみかんです。みかん類では特に夏みかんに多いリモニンなどのリモノイドや、ナリンギンなどのフラボノイドが苦味のもととなります。しかし、温州みかんの場合は種やじょうのう膜を除けば、果肉の部分ではほとんど苦味は感じられません。本会在庫のみかん缶の開缶検査でも、特に異常はありません。
 一方、乳製品では乳蛋白のカゼインが分解されて苦味ペプチドが生成することが知られています。牛乳を開封後一週間放置して苦味が出た例とか、チーズなどを不適切に放置して発酵が進み、苦味が出た例などがあります。ヨーグルトそのものも発酵製品ですが、製造工程では通常酸度1%程度に達した時点で5℃以下に冷蔵して発酵を止めます。その後、冷蔵で2週間の賞味期限があり、適切な保存がされれば一般には品質変化が問題となることはありません。

【そして】

 キウイには苦味成分は含まれていないようです。しかし、生果実中に蛋白質分解酵素のアクチニジンが含まれています。他の果実ではパイナップル中のプロメライン、イチジク中のフィシン、パパイヤ中のパパインなどが知られています。従って、キウイ果実の裁断や剥皮などの加工に際しては手袋を着用しないと手指を痛めることがあるとされています。また調理に際して、生果実をゼラチンで固めることはできないので、寒天を使うか果実を加熱してからゼラチンを混ぜてくださいとのことです。
 以上のことから、ご質問の場合はヨーグルトに入れられたキウイのアクチニジンがカゼインを分解し、苦味ペプチドを生成したため、キウイや一緒に入れられたみかんまで苦く感じられたもののようです。

 
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  3. 里芋を鉄鍋で煮たら、紫色になった
【 問 】 里いもをコンニャクや豆腐とともに煮たところ、紫色に変色しました
 
【おこたえ】
 鉄鍋で煮たとのことであり、恐らく鉄イオンと里いもの成分との反応による変色と思われます。
 一般に、 植物にはアントシアンやフラボノイドなどのポリフェノール類が含まれ、 酸化や還元、 酸性やアルカリ性、 金属イオンとの反応などで様々に変色する場合があるのは、ご存じのとおりです。質問の例も、里いものポリフェノール類と鉄鍋からの鉄イオンとの反応によるものと考えられます。たとえば、ナスの紫色を保つため鉄を加える場合や、紅しょうがを酢に漬ける場合はわかりやすいと思います。しかし、しょうがを切って置いておくと青紫色になったという例では、アントシアンの変化にいくつかの原因が考えられます。
 @微生物が繁殖して液性が変わった。
 A包丁などの鉄との反応。
 B空気中で酸化されてキノン型アントシアン(紫・青)になった。
大方はBの原因が多いとのことです。
ただ、調理に際して見られるときはいろいろな条件が重なるため、再現しにくいこともあります。

【そして】

 質問の例では、里いもとコンニャクを煮込んだ後、たまたま豆腐を入れた時に変色したとのことでした。しかし豆腐の成分との関係はないと思われます。
 コンニャクに含まれるアルカリ成分による変色は考えられます。この例に近いものとしては、ごぼうとコンニャクを煮込んで緑色になる例があります。コンニャクは製造に石灰を使用しますので、弱アルカリ性になります。ごぼうにはクロロゲン酸というポリフェノール類が含まれ、これはアルカリ性で緑色になります。別の例では、重曹を入れた衣をつけてごぼうの天ぷらを揚げたところ緑色になった、という相談例などがあります。
 今回の場合は紫色という色調からみて、やはり鉄イオンとの反応と考えられます。


[引用資料]
 ・東京都「食品の苦情Q&A」(平成3年)

   
 
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  4. しそごはんの素をごはんに混ぜると青黒くなった
【 問 】 炊き上がったご飯にしそご飯の素を混ぜたところ、しばらくしてしそご飯の素に触れていたご飯粒が青黒くなったが・・・
 
【おこたえ】
 原料のしそに含まれるアントシアン色素と炊飯釜から溶出したイオンが反応し、キレートをつくって呈色したものと思われます。
 再現テストとして、アントシアン色素溶液に鉄イオン溶液を加えると溶液の色は赤色から紫色へと変化します。文献によりますと20ppmのFe3+によって変色することが判っています。又、キレート化合物自体は有害なものではありません。

【そして】

 アントシアン色素と鉄イオンの反応を利用した例として、なすの漬物に使われる鉄クギがあります。なすを漬物にするとすみやかに紫色が失われて褐色化します。鉄クギを入れるとなすのアントシアン色素と鉄クギの鉄イオンが安定な青色キレート化合物をつくり、変色が防止されます。

 
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