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トップ >安全性確保・衛生管理事業 >物資に関するQ&A >水産物と加工品
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安全性確保・衛生管理事業
 
物資に関するQ&A
     
     
 
 
     水産物と加工品

1, あさりレトルトのフィチン酸とは?
2, あさりレトルトの内容物が青みがかっている
3, あじフィレチーズフライの酸味が強い
4, 紫いか鹿の子切りの内側が黄色い
5, いか短冊切りにハリガネ(海草)混入
6, いか短冊切りの紙白点と黄色汚れ
7, いか短冊切りを煮ると身が溶ける
8, いか短冊切りが黄色く変色
9, いりこの腹が赤い
10, いわしの梅煮にイワシノコバン混入
11, いわしボールが黄色く変色
12, ビッグえびシューマイに黒い異物混入
13, ビッグえびシューマイの黒斑点
14, 冷凍むきえびの身が崩れる
15, 冷凍むきえびをボイルしても身が半透明

16, 冷凍むきえびの異臭
17, えびの部分が黒く変色
18, かなぎ佃煮のかなぎとはどんな魚か?
19, かれい切身が軟弱で溶けたようになる
20, かれいムニエルの表面に緑黒色の斑点
21, 魚介類の名前変更と海域について
22, 銀ヒラスはどんな魚か?
23, 野菜昆布の表面に白い斑点
24, 鮭塩焼に寄生虫混入
25, さわら切身が黄色い
26, たらフライに寄生虫混入
27, 生わかめのアミ混入
28, まぐろ缶の魚肉が黒変
29, 芽ひじきに赤いひもの様なものが混入
30, 海藻サラダ

 
 
  1. あさりレトルトのフィチン酸とは?
【 問 】 あさりレトルトに使用されているフィチン酸について説明して下さい。
 
 【おこたえ】
 フィチン酸は化学的合成品以外の食品添加物で、平成3年7月1日より表示が義務化されました。 用途は金属封鎖剤(キレート剤)として缶詰、飲料、 発酵食品、 練製品、 めん類などに用いられるほか、 発酵助成剤、 酸化防止剤、 水の軟化剤、 金属の防蝕 、防錆剤として用いられています。 製法は、米糠、トウモロコシ等より水で抽出し、精製したものです。 表示は、 用途一括名で酸味料又はpH調整剤か本品名フィチン酸で表示されます。

 【そして】

 あさりレトルトにフィチン酸が使用されている目的はあさりの黒変を防止するためです。あさりの黒変には細菌作用の介在しない化学的黒変生成機構と細菌の介在する細菌学的黒変生成機構があります。化学的黒変生成機構とは、あさりの生息する泥土からあさりの体内に移行した鉄とあさりの血液中の銅が、レトルトの殺菌加熱で発生した硫化水素と反応して黒変を生成するものをいいます。又、細菌学的黒変生成機構とは、あさりの生息する泥土に起源をおく耐熱性細菌群があさり消化管内に移行し、殺菌加熱後も残存してあさり血液中のヘモシアニンを分解して銅を遊離させ、あさり肉成分中のシステイン、シスチンも分解して硫化水素を生成させるので、硫化鉄または硫化銅による黒変が起こることをいいます。
 あさりレトルトの黒変防止方法としては、@あさり腸管浄化法、A電気泳動法によるあさり腸内細菌の排出、除菌法、B食品添加物添加法などが考えられています。@及びAは細菌学的黒変に有効で、Bは細菌学的黒変と化学的黒変の両方に有効であるといわれています。フィチン酸の添加はBの方法で他にメタリン酸ナトリウムの添加も有効であるといわれています。

 
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  2. あさりレトルトの内容物が青みがかっている
【 問 】 あさりレトルトで、あさりの身や液が青みがかって見えましたが、大丈夫でしょうか。
 
【おこたえ】
 内容物については腐敗臭・異味もなく、化学検査や細菌検査でも鮮度低下などの傾向もなく、正常値を示しておりました。現物は、見方によっては灰色や緑色にも見えるようでした。過去も類似の事例はありませんので、メーカーに十分な調査を指示しましたが、明確な原因は残念ながら得られませんでした。
 まず疑われたピンホール、又は殺菌不良については、回収できたシール部分の切り口の検査と、内容物の検査で問題ないものと判断されました。レトルト物については、このシール部分の切り口の有無がクレーム原因の追及に大変役立ちますので、賞味期限年月日の確認同様容器保存にご留意をお願いします。
 メーカーの在庫品についても開封検査が行われましたが、当該品との同一状態のものはなく、全品正常でした。
 文献なども少ないのですが、恐らく次の2点が考えられます。
 まず、魚介類や卵製品にみられる硫化黒変です。あさり、かに、えびなど軟体動物や甲殻類の水煮では、生息地の土壌中からその消化管内に移行した細菌により硫化水素が発生し、あさりなどに含まれる鉄、銅イオンと反応して肉質や液汁が黒〜青色に変化することがあるとされます。
 次に、グリーンフィールドという現象があります。あさり、かきなどの缶詰で、貝の内臓部から緑変を生じ、更には缶内全部が帯緑色を呈することがあるといいます。この現象は春先に多く、この時期に発生した特殊なプランクトンを食したためと考えられています。
 今回の場合は、硫化黒変の可能性が高いように思われます。

【そして】

 あさりなどの水煮物のレトルト殺菌は、フィチン酸という有機酸の添加によりpH調整して殺菌効果を確実なものにしています。従って、硫化水素を発生する細菌やプランクトンなどの残留による害は見られませんが、発色した色調はそのまま残ることになります。
 このような現象の防止策としては、原料の産地を選ぶことにあるとされています。今回の件についても事例としては少なく、断定はし難かったのですが、メーカーに対し今後の製造分の原料を産地別に十分調査し、工程検査を強化するよう指導しました。

 
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  3. あじフィレチーズフライの酸味が強い
【 問 】 あじフィレチーズフライを食べたところ、強い酸味が感じられたのですが。
 
【おこたえ】
 原因は、原料として使用している食酢による酸味であり、酸敗やその他の原因によるものではありません。
 あじは、青魚特有の強い魚臭を持ちますので、それを押さえるために酢を使用しています。
本製品では、水に醤油2%、酢1%を混ぜて作った混合調味液に一晩漬け込むことで臭みを押さえています。その際、調味液の浸透の度合いに個体差が生じ、今回のように酸味の強いものが出たと思われるとのことです。
 もう一つの可能性として調味液を作る際、若干多めに酢が加えられた事が考えられます。原料配合から考えますと、酢の占める割合は微量ですが、油で揚げることで水分が少なくなりますので、その分味が濃くなり、酸味も強く感じられたのかもしれません。特に、冷えた時よりも揚げたての時に、それは強く感じられるようです。また、チーズの部分はチーズの酸っぱさと酢の酸味が合わさって、酸味が増すと思われます。

【そして】

 あじのように脂肪分が多く、肉質の軟らかいものは、酢の働きで蛋白質が凝固し、身がしまることで味が良くなることから、肉質をしめる目的としても使われているものです。よって、他の酸味料への変更は困難であり、漬け込み時の条件を検討する以外方法はないようです。今後メーカーとして改良を重ねていくとのことです。

 
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  4. 紫いか鹿の子切りの内側が黄色い
【 問 】 紫いか鹿の子切りの内側が黄色くなっていますが、どうしてでしょうか。
 
【おこたえ】
 これはいかの内臓に面している為黄色っぽい色をしているもので、別段品質上の問題はありません。製品の鮮度や細菌検査の上でも異常はありませんでした。
 原料のいかは、紫いかの名の通り表皮は赤褐色をしていますが、鮮度の良いものの肉質は表面もクリーム色をしており、真っ白なもののほうが逆に不自然とも思えます。内臓に接した面は黄色い色が付着しやすく、加工工場では選別や水洗いなどである程度は少なくなるようにしていますが、鮮度の低下やうま味成分の流失の恐れもありますので、過剰な要求は難しいところです。
 ただ、胆汁などにより一部が非常に黄色い場合などは見た目もあまり良くないので、製造者に対しては加工段階で極力混入を防止するよう申し入れを行いました。

【そして】

 実際に流通しているいか加工品の原料名では学術的な分類名の他に、業界での通称や別名・地方名などが入り交じっており、わかりにくいところもありますが、ご質問の紫いかはアカイカ科に属します。また、現在本会取扱い中のいか短冊切りは剣先イカです。
 いかは大変有用な食用資源ですが、加工食品用原料としてのアカイカなどは公海上の流し網漁が禁止となったため原料不足が心配されています。遠洋でのトロールなどにより漁獲された未利用開発有望種としてのいかが、今後出てくることと思われます。例えばそのひとつにアメリカオオアカイカがあります。南北アメリカ太平洋沿岸に分布しており、数十cmから2mにもなる大型のいかで、主にメキシコ、ペルー沖で漁獲されて日本に入ってきつつあります。ただ、一部の品種ではアンモニア成分を多量に含んでいるものがあり、異臭や苦味などの問題が生じています。現在各方面でこれらの防止策や加工方法の開発、選別方法などが研究されているようです。

 
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  5. いか短冊切りにハリガネ(海草)混入
【 問 】 いか短冊切りに、木の枝のようなものが入っていました。
 
【おこたえ】

 外見上は木の枝のようで、陸上で混入したものかと思われましたが、調べてみると海藻の一種と判りました。紅藻類の一種で、オキツノリ科のハリガネといわれるものの一部と考えられます。(図1)
 これは太平洋沿岸などに分布し、高さ15〜45cm、体は円柱または平たくて硬く、両側に短い枝を羽状に出すことがあるといいます。名のとおり、枝の少ないからだが針金のようで、おし葉標本が台紙につかないそうです。
 底曳網で原料のいかと共に揚がったものが、加工処理工程で見落とされ混入したものです。メーカーには十分注意して生産するよう、注意しました。

図1
【そして】
 同様な海藻混入物でヒヨクソウというのがあります。 (図2)これは一見すると鳥の羽毛のようであり、カモメか何かの羽根と思われる形をしています。
 このような海草類をはじめ、海中から様々な異物が一緒に水揚げされるため、メーカーでも従来より選別工程に は気を配っているのですが、今回見落としがあったものです。

図2
 
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  6. いか短冊切りの紙白点と黄色汚れ
【 問 】 @冷凍いか短冊の一部に白色の斑点が見られるものがあり、気になりましたが。
     A冷凍いか短冊で、表面に黄色い変色部分が見られました。何でしょうか。
 
【おこたえ】
 いずれも、いかの肉質自体に異常はありませんでした。両者はいかの種類、取扱者共に異なりますが、いずれも漁獲後、直ちに冷凍され加工するまでの間に原因があったことが判明しました。
 @は、原料のドスイカを北洋で漁獲・冷凍した際、表皮の一部がむけており、加工されるまでの間に乾燥して白濁状態となったものです。これは、いか短冊特有の現象で紙白点と呼ばれ、ある程度の発生はやむを得ないようです。品質的・衛生的には何ら問題なく、またボイル後は斑点は消失してしまいます。
 短冊加工工程での紙白点の区別は実際上困難であるようで、この点ご理解をお願いします。
【そして】

 Aは、原料のアカイカを漁獲・冷凍し加工するまでの間に、混入したイワシ魚肉片が付着し、魚油が浸透して黄色に変色したものでした。また、内臓によるものもあることは、別項の説明の通りです。
 これも特に品質上の問題はないものの、こちらは加工中の洗浄をより徹底して行うことと、選別で除去できるものであり、この点製造メーカーに約させております。

 
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  7. いか短冊切りを煮ると身が溶ける
【 問 】 冷凍いか短冊切りを煮たところ、身がとけたようになって使えなかった。
 
【おこたえ】
 早速同一ロットの在庫の鮮度を検査したところ、VBN、K値とも問題ありませんでした。
 いかの身がくずれた原因は、原料に産卵直後のいかが混じっていたためと思われます。産卵直後のいかは通常のものよりタンパク質が少なく水分が多いことがわかっています。いかの産卵の時期は春先から7月頃にかけてですが、今回のものはこの時期に獲れたものを冷凍保蔵しておいたものを3月に加工したものと推定されました。また、産卵直後のいかかどうかは外見からは全く判断できず、実際に煮てみないとわからないということです。

【そして】
 現在給食会が取り扱っている冷凍いか短冊切りは、共同購入しているアカイカです。年間購入数量をメーカーに示し、産卵期の原料は使用しないように指示しています。
 
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  8. いか短冊切りが黄色く変色
【 問 】 いか短冊切が黄色く変色していました。
 
【おこたえ】

 この原因は、いかの内臓(胆のう)に面している部分が胆汁により黄色っぽい色をしているもので、品質上の問題はありません。製品の鮮度や細菌検査の上でも異常はありませんでした。
 原料である剣先イカで肉質の鮮度が良いものは、クリーム色をしています。真っ白なものの方が逆に不自然とも思えます。内臓に面した部分はこの黄色い色が付着しやすく、加工工場でも水洗いや選別などである程度は黄色い部分を除去していますが、鮮度の低下やうま味成分の流失の恐れもあり、過剰な要求は難しいところです。
 しかし、内臓がつぶれることによって非常に黄色くなる場合もあり、この部分については、見た目もあまり良くないこともあり、製造者に対しては加工段階で混入を防止するよう申し入れを行っています。

【そして】

 ご質問のいか短冊切の原料は、剣先イカです。ツツイカ目ヤリイカ科に属しており、体は細型ですが体長は約40cmあり、日本近海に分布しています。
 その他、紫いか鹿の子切の原料はムラサキイカでアカイカ科に属します。名の通り表皮は赤褐色をしており、体長は40〜60cmです。アカイカ科中最も広く分布しているいかです。
 丸いかの原料はコウイカといい、先の2つと違い、コウイカ目コウイカ科に属します。体長は約20cmで、南日本〜東シナ海、南シナ海に分布しています。
 いかは有用な水産資源ですが、市場に流通しているいかいか加工品の原料名については、学術的な分類名の他、別名や地方名、また、業界での通称などが入り混じり、判りにくい部分もあります。ここでは、主要ないかの仲間の分類図についてカラーで掲載します。


[引用資料]
 ・マルハ(株)「おいしいものの身上書」


ヤリイカ


アカイカ

コウイカ
 
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  9. いりこの腹が赤い
【 問 】 いりこの腹が割れて赤いものが詰まっています。油焼けとは違うようですが何でしょうか。
 
【おこたえ】

 これは油焼けなどの品質低下によるものではありません。原因は、原料のいわしアミ(エビの子)を腹いっぱい食べていたためです。加工時の煮沸でやや褐色になっているのが観察されますが、ご使用時の煮出しの際に更に赤くなって見え、腹が割れて赤い粒のようなものが浮き上がることもあります。
 原料のいわしそのものの品質は、ご覧いただいてもお判りのとおり、光沢のある良質の魚体を更に念入りに選別したものです。アミが多い海域は砂地の、水が大変きれいな場所であり、いわしにとっても最も住み易いところにあたるそうです。従って、本来ならばそのような海域で取れたいわしは、腹いっぱいアミを食べてのびのび育った汚染の少ない良質のものであり、いりことしても最良の原料なのですが、ご指摘のような現象の元ともなっております。

【そして】

 しかしながら、ご心配をおかけするのは事実でもあり、メーカーとしても加工工程での選別を入念に行っております。
 更に、本会ではせっかくの良質な原料によるいりこの油脂分劣化など品質低下
防止のため、冷凍流通・保管を行っています。


[引用資料]
 ・新日本動物圖艦〔中〕北隆館(昭和57年)

 
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  10. いわしの梅煮にイワシノコバン混入
【 問 】 いわしの梅煮に虫のような物が入っていました。陸のものか浜辺で見かけるもののようですが、一体何でしょうか?
 
【おこたえ】

 これはイワシノコバンという一種のプランクトンです。名前のとおり、コバンザメのようにイワシに混じって生活しており、イワシを漁猟すれば必ずイワシノコバンも多数入ってくるそうです。いりこやベビッシュなど、水産加工品の加工工場では手作業で除くしかないといいます。過去何度か展示協議会などの機会に説明してきておりますが、改めて説明させていただきます。
 分類上はエビ、カニに近い甲殻類の仲間で、甲殻綱・等脚目に属し、この中にウオノエ科として主に魚類と共生関係にあるウオノコバン類・エビノコバン・タイノエといったものがあり、魚のえらなどに寄生しています。その他にグソクムシ科のグソクムシ、コツブムシ科のイソコツブムシ・ウミセミなどがあります。いずれも名は体をあらわすのとおりですが、互いによく似ており、一見しただけでは区別しにくいようです。ただ、グソクムシ科はウオノエ科と同様、魚と共生し、コツブムシ科は通称「磯虫」と呼ばれるとおり沿岸に分布するものが多いようです。
 従って、ご質問のものはイワシノコバンと判断されます。なお、あさりなどから発見されたものの場合はイソコツブムシと推定されます。

【そして】

 プランクトンは沖アミやエビ・カニの幼生、ウオノコバン類など大小雑多な生物の集まりですが、水産物に混入すると異物として扱われる困りのものです。これらの混入する可能性のあるものは、イワシ加工品のほか、白す干あさりいかえびなど多くのものにあります。
 それぞれメーカー毎に、コンベアーの両側に多数の人を配してこの種異物の発見に努めるなど、十分わきまえて製造管理にあたっております。
 なお、参考までにいくつかの図を載せます。実物は1〜4cm程の褐色に近い体です。


[引用資料]
 ・岡田要、他、新日本動物圖鑑中巻(北隆館 1982)

 
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  11. いわしボールが黄色く変色
【 問 】 いわしボールをボイルしたところ、黄色く変色したものが混じって出来上がりました。味など異常はないようですが。
 
【おこたえ】

 原因は、一部製品の温度管理に不備があったため、表面温度の上昇・緩慢解凍による褐変を招いたものと思われます。
 お尋ねの件についてメーカー共々現物を確認しました。ご指摘のとおり、灰色がかった正常な茹で上がりのものの中に、黄色く変色したものが混じっていました。スライスしてみると周辺部分のみが黄色くなっていましたが、製品組織などの変化は見られませんでした。味などの点でも異常なく、同一ロットの細菌検査など品質面でも特に問題はありませんでした。
 通常このような蛋白質性食品の加熱変色の場合、まず考えられることは食品自体またはボイル液の成分的な配合変化、たとえばアルカリ化などによる原因です。しかし、今回の場合は原料配合はいわし澱粉食塩のみの簡単なものであり、配合比の変更やその他の調味料、食品添加物の添加もありません。また、学校での調理条件も伺った限りでは通常のボイルと調味であり、特に変化はありませんでした。
 次に、緩慢解凍や緩慢凍結、再凍結などによる変化を想定してテストを行いました。
 @ 2時間解凍してボイル 
 A 4時間解凍してボイル
 B 6時間解凍してボイル
結果は、@では何ら変色は見られませんでしたが、Aでは約三分の一のボールに黄色く変色が見られました。Bでは全てのボールに変色が見られました。
 従って、製品化後に何らかの原因で表面品温が上昇した状態になったものがあったと考えられます。

【そして】

 変色自体は、空気中の酸素によっていわし肉の不飽和脂肪酸又は蛋白質が酸化されて、非酵素的褐変現象を招いたものと思われます。ただ、ボールの表面のみでの現象であり、製品自体の安全性や物性には影響はありませんでした。
 温度管理に不備があったと思われる点については、まずメーカーに製造工程中の検査の他、倉庫・保管・流通の温度管理の徹底を指導しました。
 また、本会自身も、物資の受入れ・保管・出庫・配送の各段階において一層の注意を払うようにいたしました。

 
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  12. ビッグえびシューマイに黒い異物混入
【 問 】 ビックえびシューマイに、黒い異物と思われるものが混入していました。
 
【おこたえ】

 頂いた現品を調査しましたところ、原料に使用しているえび背わたであることがわかりました。
 えびは肉質中に背わたを持っています。特に害のあるものではないため、通常の具材として使用する際は製造工程中で特別に取り除く工程は設けられておりません。しかし、シューマイではその黒色の外観が異物ではないかとの印象を与えるため、原料えびの選別工程で極力除去しています。その工程でも、小さくて取り除くことが困難な場合、身崩れを恐れ肉質中に背わたを残したまま材料として用いることがあります。
 今回の例は具材の混合、成型の段階でえびの背が割れ、具材に混入したものです。シューマイの表面に目立って背わたが付着している場合は、選別工程で取り除かれますが、底の部分に混入していた場合に見逃されてしまったようです。
 えびの産地、品種によって背わたの量が異なります。ビッグえびシューマイに使用している原料えびは、主にベトナム産のえびで「くるまえび科」に属し、日本名でインドエビまたはテンジクエビと呼ばれる種類のものです。小さなサイズのえびを使用しますから、完全に取り除くのは困難なため、製造メーカーとしてはなるべく背わたの混入の少ない原料の入手努力と、製品のチェックを行っていくとのことです。

【そして】

 中国・九州各県で共同購入している冷凍むきえびも、同じ「くるまえび科」に属するピンクブラウン、またはホワイトと呼ばれる種類のものが多く使用されています。この場合は背わたを取らずに製品化されています。以前、背わたの中に砂を抱き込んだサンドシュリンプと呼ばれるものが混入して大変ご迷惑をおかけした例もありました。その後メーカーのチェック体制の強化で改善されております。

 
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  13. ビッグえびシューマイの黒斑点
【 問 】 ビックえびシューマイを調理すると、皮に黒い斑点が出てきました。
 
【おこたえ】

 頂いた調理品には、ご指摘の通り褐色、及び黒色に変色している部分を確認できました。未調理の在庫冷凍品ではそのようなものは見られませんでしたが、調理テストで強く加熱した後にいくつかが同様の状態になりました。
 変色部分を詳細に観察した結果、原料が変色(主に玉ねぎなどの加熱による変色)したものと考えられました。また、黒色の斑点部分については、カビの存在は認められないことを確認 しました。
 メーカーでは、原料の玉ねぎは製造前に加熱試験を行い、褐色に変化しないことを確認して使用しています。製造工程のなかでも加熱されますが、その程度では変色することは少ないようです。蒸し調理で強く加熱されることにより、玉ねぎの透明に近い白色が褐色(程度によっては黒色)に変色する場合があるようです。玉ねぎの変色部は特に害があるものではなく、ご使用上問題はありませんが、外観が異物ではないかとの印象を与えることがあります。
 しかし、加熱工程で変色する玉ねぎの発見はなかなか困難です。メーカーとしては、製造工程での加熱後の商品の目視確認をさらに徹底するとのことです。また原料玉ねぎについての使用前の加熱試験を継続実施していくとのことです。

【そして】

 その他、この物資での類似の事例に、えびの背わたがあります。この場合は、調理前の冷凍状態でも見られる場合があります。前項でご説明しましたが、再度簡単にご紹介します。
 えびは肉質中に背わたを持っています。これも特に害があるものではなく、通常の具材として使用する際は製造工程中で特別に取り除く工程はありません。しかし玉ねぎと同様、黒色の外観が異物と誤解されるため、製造メーカーではなるべく背わた混入の少ない原料えびの入手努力と、選別工程での製品のチェックを行っています。

 
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  14. 冷凍むきえびの身が崩れる
【 問 】 冷凍むきエビを使用したところ、身崩れしました。以前、解凍方法が大事と聞いたのですがそのためでしょうか。
     色もややくすんで見えるのですが。
 
【おこたえ】

 むきエビの不適切な解凍調理による身崩れの件については、以前からこの「一問二答」欄や本会の展示会などでたびたびご説明していますが、今回改めてメーカーに解凍調理上の注意などを聞きましたのでご紹介します。
 まず、むきエビの身崩れはエビの種類によって身崩れし易いものとしにくいものがあるにはありますが、天然のものではやむを得ないものです。大きな要因はやはり流水解凍からボイル調理にいたる前処理が十分でなかったことにあります。すなわち、ボイルの際にお湯に対してエビの量が多い場合や、半解凍などエビの品温が低い場合はエビをお湯に入れてから再沸騰するまでに時間がかかるため、ムレた状態が長時間続き自己分解酵素が働いて、身に締まりがなくなり中身が溶けだしたような状態になることがあります。さらにエビの体表面の組織内に含まれていた臭気成分が出てきて、強い異臭がすることがあります。

【そして】

 ボイル時にはぜひ次の事項に注意をし、ボイル調理を行ってください。
 @お湯は沸騰させ、たっぷりと使用してください。
 Aエビの量が多くならぬようにし、再沸騰までの時間がかかりすぎないようにしてください。
 B流水解凍後、ボイルしてください。急ぐあまりの温水解凍は絶対やめてください。
 実験的には、お湯にエビを投入後、再沸騰までに10分以上要した場合に身崩れや柔らかい状態になるものが見られ始めました。
 なお、色調の件はまったく固体差であり、鮮度などには問題ありませんでした。本会の細菌検査や鮮度検査でも異常はありません。エビなど甲殻類が赤色を呈する物質にアスタキサンチンがあり、殻下表皮膜に多く含まれます。その量は漁場の環境の変化により大きな固体差が認められます。
 逆に鮮やかすぎる赤色も心配される場合もありますが、同様に固体差の範囲です。本会のむきエビは中国・九州地区の共同購入品であり、規格検査によって鮮度の他、食品添加物などの検査も行っているものです。
 メーカーに対しても衛生管理などの徹底を念押ししております。


[引用資料]
 ・「商品クレーム事例集」コープこうべ・商品検査センター
 ・「消費者相談Q&A」 農林水産省

 
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  15. 冷凍むきえびをボイルしても身が半透明
【 問 】 むきえびが白っぽくてやわらかく、いくら煮ても火がとおらないような感じでした。
 
【おこたえ】

  頂いた現品を早速調査しましたところ、身の部分が半透明な感じであり、実際は充分に煮込んであるにもかかわらず軟弱な肉質であるのを確認しました。この現象は通称「やわらエビ」といわれ、脱皮直後のエビが混入したものです。別段鮮度が低下しているなどの物ではありません。以下、資料によって説明します。
 甲殻類に共通のことですが、エビには成長の過程で脱皮という特殊な現象があります。元来脱皮は体の表面をおおっている硬いクチクラ層を脱ぎ捨てることで、体の増大をはかるためには絶対に必要な現象です。脱皮には大別して3つのケースがあるようです。
 第1は文字通り成長するための脱皮で、体形変化を伴いながら成長脱皮が繰り返されていきます。当然、若い時期ほど脱皮間隔は短くなります。この脱皮に際しては、一般に著しい体重の増加を伴います。
 第2は再生のための脱皮で、体に損傷を受けた場合などに著しい体重の増加を伴わないで、再生を主体としていると思われる脱皮現象があります。普通2〜3回でほとんどが復元します。
 第3は産卵脱皮で、もっぱら成熟した雌のみにみられる脱皮現象です。
 脱皮の過程は、 まず甲殻のカルシウムを血液中に溶出し、 古い殻の下に柔らかい殻が準備されます。 ついで古い殻が破れ、頭から抜け出ます。

【そして】

 脱皮直後は殻も身もまだ完全に硬くなっていない状態であり、水分を吸収して急速に伸長します。「やわらエビ」はこの柔らかいエビを意味する古語で、江戸時代の中期頃から公文書に現れ現代に至るといいます。肉質も軟弱で、加熱による蛋白質の凝固もしにくいようです。このようなエビは出荷時の選別段階で除去すべきですが、軟弱さの程度もまちまちであり、多量の原料中に混じっていた場合選別は困難なようです。
 他の防止策としては、「やわらエビ」が混じってきた原料の漁猟海域のものは取り扱わないことです。しかしこれも広大な海域での大量なエビのことであり、実際は実施しにくいようです。
 当然のことながらメーカーに対してはチェック体制の強化と原料品質の安定をはかるよう申し入れておりますが、ご使用になる際にもある程度やむを得ないものとしてのご理解をお願いします。


[引用資料]
 ・コープこうべ  「商品クレーム事例集」(1994)
 ・成山堂書店   「日本のエビ・世界のエビ」(1986)
 ・水産社 酒向昇著「えび・知識とノウハウ」

 
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  16. 冷凍むきえびの異臭
【 問 】 冷凍むきえびを油でいためてグラタンに使用したところ、臭気がつよかったのですが。
 
【おこたえ】

 この件については一般家庭でもよく発生する事例らしく、原因について説明資料がありましたのでご紹介します。メーカーの調査回答の他、東京都発行の「食品の苦情Q&A」(平成3年)と、コープこうべ発行の「商品クレーム事例集」(1994)からも引用させていただきました。
 恐らく、流水解凍からボイル調理にいたる前処理が十分でなかったため、えびの体表面のグレーズ(氷の保護膜)に溶け込んでいたり組織内に含まれていたりした臭気成分が、洗い流されずにそのまま料理に持ち込まれたものと考えられます。
 まず指摘されやすい原因としては、冷凍前の原料の鮮度や漁獲された海域でのプランクトンなどにより、原料自体臭気が強かったのではないか。また、製造工程及び流通過程(消費者段階も含め)などに何か問題があったのではないかということなどがあります。しかし、今回の場合はえび自体の肉質などには特に変わった点は見られません。この品は中国・九州地区各県での共同購入品であり、同一ロットも含めた中での異常例はなく、細菌検査などでも問題はありませんでした。
 えびには個体差によって強弱はありますが、トリメチルアミンやホルムアルデヒド、ジメチルスルフィドといった特有の臭気成分が含まれています。この臭気成分は、えびの殻のすぐ下、肉質の最も外側の組織に多く含まれています。従って、えびを調理する時にはまず流水で迅速に解凍し、ボイルすることでこの臭気成分を肉質に残さないようにすることが必要です。
 なお冷凍むきえびの解凍に関するクレーム事例としては、別に温水で解凍したことによる肉質の軟弱化と異臭の発生があります。肉質の軟弱化については別項でも説明していますが、甲殻類のもつ強い蛋白質分解酵素が働いて自己分解が進んだ結果によります。また、この場合の異臭の発生原因は、特有の臭気成分が自己分解により組織外に出て強く感じられる他、逆に組織中に吸収されることにもなり、料理のなかでも感じられるもののようです。解凍時間が長かった場合は更に、微生物の働きによるアンモニアの発生などもあると思われます。

【そして】

 この件は、別項でも軟弱化の関連で説明しました。その時の再現テストで、温水解凍することで軟弱化した実物が得られましたが、その際の臭気も強烈でした。
 水産物での同様な異臭例は、むきあさりでも報告されています。これも鮮度などとは無関係で、流水解凍からボイル調理にいたる前処理が十分でなかった場合が多いようです。
 えびに限らず、冷凍素材食品を調理する際には予め解凍・水洗・調味などの前処理をすることが必要で、このような手順は当然のこととして心がけておくべきと述べられています。前処理することにより素材の持つ様々な望ましくない臭気が除かれる他、素材特有の良い味覚を引きだすこともできるということです。

 
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  17. えびの一部が黒く変色
【 問 】 むきえびでえびチリソースの調理を行ったところ、えびの一部が黒く変色しました。
 
【おこたえ】

 ご指摘品を確認しましたところ、背部に黒斑が見られましたが、異臭はなく触感も正常でした。
 この黒変現象はえびの殻に含まれるタンパク質中のアミノ酸の一種であるチロシンが体内組織中 に広く含まれる酸化酵素(チロシナーゼ、ドーパ等)と反応した結果メラニンが生成し、発生した ものです。
 これは酵素の働きによる反応であるため、酵素の反応を抑えるために二酸化イオウを使用するこ とがあります。しかし本会取り扱いのむきえびは二酸化イオウ不使用の原料を使用しています。
 上記の理由により、二酸化イオウ不使用のえび原料にはどうしても黒変する可能性のあるえびが 混入しています。また、原料受け入れ時のえびに黒変が発生していなくても外部からの影響(鉄鍋 の使用等によりえびに鉄分が付着して、それが引き金となって黒変が促進される)により黒変が発 生することがあります。
 このような特徴に対応するために、工場では製造工程中においてえびの状態を確認し、製造ライ ンでの目視選別により黒変したものを除去しています。製造工程における洗浄機では、毛髪等の異 物除去には効果が出ていますが、黒変したえびは除去できません。混入防止策としては、目視選別 に頼らざるを得ないのが現状です。
 調理される時、できるだけ鉄鍋の使用を避けていただき、他の調理器具で調理をしていただけれ ばこの現象をある程度回避できると思います。
 ご理解の上、今後ともご利用をよろしくお願いします。
〔引用資料〕 (株)マルハニチロ食品資料  


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  18. かなぎ佃煮のかなぎとはどんな魚か?
【 問 】 かなぎ佃煮のかなぎとは、どんな魚ですか。
 
【おこたえ】

 かなぎとは、スズキ目・イカナゴ科のイカナゴのことです。地方によって呼び名は様々ですが、東京地方ではコウナゴ、仙台ではメロウド、九州北部、山口ではカナギと呼ばれています。生息地は、瀬戸内海以北から北海道の沿岸に分布しており、砂地に住み着いて繁殖します。12月下旬から1月始めにかけて産卵を行います。孵化した稚魚は春先には3〜4cmに成長し、成魚は全長15cm程度ですが大きいものは25cmくらいのものもいるようです。
 シラス干しのシラスとはカタクチイワシの稚魚のことです。カタクチイワシは、カタクチイワシ科の海水魚でイワシの仲間です。下あごが短く、上あごしかないように見えることから、この名が付いたようです。また腹部が銀白色で、背は青黒いことから、セグロイワシとも呼ばれています。生息地は日本各地、朝鮮半島、中国に分布しています。産卵はほぼ一年中行なわれ、生まれて間もない体が透明な稚魚をシラスといい、3〜4cmに成長したものをカエリと呼んでいます。成魚は15cm程です。
 カタクチイワシと同じいわしの仲間で形もよく似た魚にきびなごがいます。カクチイワシにくらべやや小さく、7〜8cm程度です。南日本から東南アジア、インドなどに分布する熱帯性の魚ですが、夏から秋にかけて黒潮にのってきたものが、和歌山県付近でもとれます。
 それぞれの写真資料が入手できましたので、別図に掲げております。


【そして】

 これらの魚は鮮度低下が早いため生食用よりも佃煮、煮干し用として使用されることが多いようです。水揚げされた原料は鮮度低下を押さえるために塩茹でした後、天日干しを行います。
 イカナゴの稚魚を干した製品をカナギチリメン、カタクチイワシの稚魚の場合シラス干しと言っています。
 また、シラスよりも大きく小型のカタクチイワシを煮干したものはいりこといっているものです。原料としてはマイワシを使用することもあるようですが、品質は劣るようです。
 規格開発物資であるかなぎ佃煮に使用している原料は、瀬戸内海でとれたイカナゴをカナギチリメンにしたものです。


[引用資料]
 ・杉田、他「日本食品事典」 医歯薬出版
 ・住江、他「原色食品図鑑」 建帛社
 ・河野「食品事典」 真珠書院
 ・宝山食品工業 提供資料

 
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  19. かれい切身が軟弱で溶けたようになる
【 問 】 かれい切身を煮たところ、軟化して溶けたようになったものが混じっていました。
 
【おこたえ】

 ご指摘の切身を確認しましたところ、ゼリーミートではないかと思われます。ゼリーミートとは腐敗や鮮度低下とは関係なく、漁獲後の魚肉組織が軟化する現象で、食べても害のあるものではありません。冷凍魚類一般にみられるものですが、特にマグロ、カジキ、かれい、鮭、メルルーサなどでの事例が多いようです。
 メーカーなどの資料によると、ゼリーミートの原因には種々のタイプがあり、魚の生時は認められず、死後、氷蔵中に進行するもの、加熱調理中に進行するものなど、様々なものがあります。また鮮魚や切身の段階では事前に除去するための判別は困難です。大きく分けて胞子虫の寄生によるものと、自己消化によるものがあるようです。
 粘液胞子虫は原生動物の一種であり、魚類の筋肉組織に広く寄生しているもので、生活史など不明な点も多いものですが、人体への害はないとされています。筋肉の中に胞子を作り、魚の死後にプロテアーゼによる組織崩壊をおこし、ゼリーミート化します。しかし、全ての魚体にこのような現象が起きるわけではありません。
 自己消化によるものは、産卵後や漁獲時、あるいは回遊などで激しく運動して餌を摂取できない場合などに、自らの身体の蛋白質を分解してエネルギーを得ようとした場合にみられます。いわゆる自己消化活性が高くなっているその原料を使用した時、加工後に温度変化を受けて魚肉が軟化すると考えられています。

【そして】

 今回の原因は、現物の調査から胞子虫はみられないことから、自己消化によるものと推測されます。
 一般的には、このような可能性の少ない魚体を原料とすればよいのですが、前述のとおり、魚体や切身の段階では判別困難なため、切身製品の使用においてはある程度の発生はやむを得ないものともいわれています。結局、過去の経験上ゼリーミート化の可能性の少ない原料を選ぶより方法がないので、そのような現象をみた原料の産地や漁獲時期の関係調査を行うなどの対応が必要です。メーカーとしてもこの点に努力したいとのことです。
 なお、現在は漁獲後の速やかな船上冷凍が行われているため、胞子虫に寄生された魚体や自己消化活性の高まった魚体でも、通常の加工や調理においてはゼリーミート化までは進行しないとのことです。ただし、調理・解凍時に肉の品温が室温又はこれをやや上回る温度になると、プロテアーゼの働きが活発になり速やかにゼリーミート化するとのことです。さらに、魚介類はプロテアーゼよる自己消化性の強いものが多く、冷凍品の解凍品温には注意を要します。この現象はむきえびを温水解凍してしまって溶けたという事と同様であり、以前のこの欄や展示会などでご説明しているとおりです。もし、調理でたびたび起きるが、という場合にはこの点もご検討ください。


[引用資料]
 ・小長谷史郎、ニューフードインダストリー、巻12号(1982)
 ・恒星社厚生閣、須山 他編著、水産食品学(1987)
 ・恒星社厚生閣、野中 他編著、 水産利用原料(1987)

 
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  20. かれいムニエルの表面に緑黒色の斑点
【 問 】 かれいのムニエルに緑黒色の斑点が出ているものがありました。カビではないとは思いますが、何でしょうか。
 
【おこたえ】

 これはカビではなく、卵製品ではよく見かける硫化鉄による斑点(硫化黒斑)ですので、ご心配はありません。
 一般に魚肉・畜肉・卵製品など、蛋白質主体の食品を、鉄製調理器具と接触して加工・調理した場合に発生しやすい現象です。水分(肉のドリップなど)が多い場合など特に鉄分の溶出が多くなり、これを加熱することで、あざやかな緑黒色の斑点を生じます。焼き魚の黒斑としては他に、マス・サケ・アジ・メルルーサなどの切身を鉄製トレーで焼いた場合によく発生することが、業界でも知られているということです。この場合、トレーの磨きがよいほど発生しやすいとのこと。切身は全面にわたって鉄板と密着するのではなく、凸面部の何ヶ所かで接触している場合が多いので、黒斑もまばらに出るわけです。

【そして】

 切身や今回のムニエルの場合、加熱調理後発見されることから、黒斑の原因は原料切身ではなく、調理方法や調理器具にあるとされています。
 防止のためには、トレーなど鉄との接触を少なくすればよいので、底にアルミ板や焼き網を敷くと良いとのことです。特にドリップや水分が多い場合、トレー上の油で水滴ができ、この水滴中で反応が行われて硫化鉄が生じ、魚肉等にしみ込むので、円形シミ状の黒斑が点々とできることになります。
 卵製品など、すでに加熱加工されている冷凍食品の場合は、製造時の鉄との接触や水質、調味料などの鉄分により硫化鉄が生じていることがあります。調理前に見つかる場合もありますが、加熱調理後に一層鮮やかな発色をして驚かれる例が多いようです。

 
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  21. 魚介類の名前変更と海域について
【 問 】 魚介類の名前表示が変わると聞いたのですが。
 
【おこたえ】

 JAS法改正により、生鮮食品は名称や原産地を、加工食品では、名称と原材料を表示することが義務化されました。また、魚介類は輸入の多様化や同一魚でも地域や成長段階により呼称が異なるなど特有の事情があることから、水産庁で名称のガイドラインの中間取りまとめが行われました。本会が平成15年現在取り扱っている製品は、すでにこのガイドラインに沿った名称が付けられています。主な魚については、次の項で図と共に説明しています。
 このガイドラインは、今後様々な意見の集約を経て最終取りまとめが行われると思われます。

【そして】

 過去このコーナーでも遠洋漁業で漁獲される魚について掲載しましたが、原料の獲れる海域は年毎に変動するものもあります。主な漁場の図が入手できましたので、ご紹介します。


[引用資料]
 ・水産庁「魚介類の名称のガイドライン(中間取りまとめ)について」
 ・マルハ(株) 提供資料「おいしいものの身上書」

 
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  22. 銀ヒラスはどんな魚か?
【 問 】 銀ヒラス西京焼の原料である銀ヒラスについて、教えてください。
【おこたえ】

  銀ヒラスとは、日本近海物のヒラス(ブリ類の地方名)に似たものとして名付けられた遠洋物の魚です。スズキ目イボダイ科の魚で、従来から新顔の魚として知られているシルバーの別名です。アルゼンチン及びチリ南部、ニュージーランド南部、オーストラリア南部と、南半球の温帯域に広く分布していますが、北半球には生息していません。最大体長60cm、普通は40cmまでのイボダイ類では中型の種類です。別名オキブリとも呼ばれ、ブリに似て白身で脂肪分が多いので、煮付け、塩焼き、フライなど、切身惣菜品としての商品価値は高く、かなり広く使われています。
 実際に流通している魚の名前は学術的な分類名の他、業界での通称や別名の地方名が入り交じっており、分かりにくいところです。
 本会で取扱っている銀ヒラス、またはシルバーについては、日本に流通していない魚を漁獲した際は、それを漁獲したそれぞれのメーカーが命名権を持つという慣習により、同じ魚に別々の名前が付いているものです。

【そして】

 その他、本会で取扱っている遠洋漁業で漁獲される魚には、メル(メルルーサ)ホキキング(キングクリップ)、アカウオなどがあります。
 メルルーサはニュージーランド沖のトロール船で漁獲される体長80〜100cmの白身の魚です。
 ホキはニュージーランド沖で獲れる体長60〜100cmのメルルーサの仲間です。肉質もメルルーサに似てくせがなく、美味です。
 キングクリップは別名なまずといい、体長80〜120cmの白身で淡泊かつ小骨が少ない魚です。これもニュージーランド方面で獲れます。
 アカウオは別名アラスカメヌケといい、体長27cm前後の名前のとおり、真赤な色をしています。これはベーリング海、アラスカ湾で獲れるものです。
 それぞれの図が入手できましたので、別図に掲げておきます。


[引用資料]
 ・東京水産大学第10回公開講座 編集委員会編
           「新顔のさかな」成山堂書店
 ・阿部宗明「新顔の魚Z」 伊藤魚学研究振興財団
 ・マルハ(株) 提供資料「おいしいものの身上書」

 
 
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  23. 野菜昆布の表面に白い斑点
【 問 】 野菜昆布の表面にカビのような白い斑点がありました。大丈夫でしょうか。
 
【おこたえ】
 確かに表面には、白い斑点状のものが見られました。この白い斑点はカビではなく、マンニットあるいはマンニトールと呼ばれる糖アルコールの結晶で、昆布に含まれる旨味成分ですから問題ありません。顕微鏡で拡大してみるとカビ特有の菌糸は確認されず、白い斑点の周りには透明な結晶が見られます。マンニットはアルギン酸とともに昆布中の炭水化物の大部分を占めています。昆布以外の海藻類、たまねぎ、人参などにも含まれます。この成分が昆布中の水分が蒸発する際に、水分とともに昆布の表面に出て結晶化したものであることがわかりました。
 現在この製品は、北海道の道東で採れた長昆布を原料としています。収穫時期は7〜9月頃で、海から採取した昆布は天日で一日干し上げて乾燥させます。その時天候が悪く、乾燥が不十分であると昆布の中に水分を含んでしまいます。そして、保管中に湿度の変化が生じて昆布から水分が蒸発する際に、昆布の栄養分も一緒に出て、マンニットが結晶化します。また、十分乾燥した昆布でも、長期保存している間に湿気を帯びてしまうと同じ現象が起きてしまいます。昆布の表面がしっかりと乾燥していて身が締まっている間は内部に含まれる成分は出てきませんが、一度湿気を帯びて再び乾燥すると、水分とともに出てきてしまうのです。
 マンニットは旨味成分ですので、結晶が析出していた場合でも水などで洗い落とさず、ふきんなどで昆布の表面に付いた埃などを軽く拭き取る程度で使用した方が良いと思います。


野菜昆布の斑点
【そして】
 顕微鏡観察でマンニットの周りに見られた透明の結晶は、昆布中のグルタミン酸ナトリウムや塩が析出したものです。昆布に限らず、乾燥わかめでも、これらの成分が表面に付着していてカビではないかと心配されてお問い合わせ頂くこともありました。これも同様に昆布の成分が水分の蒸発とともに表面に出て結晶化したものです。

拡大写真
 
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  24. 鮭塩焼に寄生虫混入
【 問 】 鮭塩焼に白い糸のような虫が混入していました。
 
【おこたえ】

 ご指摘の虫は、魚をはじめとする水産物に見られる寄生虫の一種でアニサキス(線虫類)と呼ばれるものです。渦巻状の体長2〜3cmで半透明白色をしています。サバ、タラ、イワシなどの内臓の表面や筋肉に寄生しているものです。成虫はクジラ、イルカなどの哺乳類に寄生し、虫卵が糞便と共に海中に放出され孵化すると、それはオキアミに摂取され、さらにオキアミごとサバ、タラなどに摂取され、内臓や筋肉に寄生します。生きた状態のアニサキスを摂取すると腹痛、吐き気などを引き起こす場合がありますが、24時間以上冷凍状態(-20℃以下)のものや中心部まで熱が通るように十分加熱(60℃で1分以上)調理したものであれば、アニサキスが混入していても死滅していますので、万が一、食したとしても人体に害を与えることはありません。

【そして】
 他にサバなどの寄生虫としてよく耳にするラジノリンクスがいますが、こちらは鉤頭虫類の一種で赤橙色をした体長2〜3cmのものです。カツオ、サンマ、サバなどの腸にも普通に寄生しているものです。ラジノリンクスは、人に悪影響を及ぼさないことが知られています。アニサキス同様に凍結と熱に弱いため、冷凍あるいは加熱により死滅しますので、心配ありません。アニサキスラジノリンクスに限らず、水産物には数十種の寄生虫が見つかるといわれ、天然のものであれば、むしろ寄生虫のいない魚はいないともいわれています。魚類の生態環境から食物連鎖の一環として避けられないものです。その点はご理解いただきたいと思います。しかし、見かけ上不都合なものですので、メーカーには加工の際の除去努力を求めました。
 
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  25. さわら切身が黄色い
【 問 】 さわらの切身の内側が黄色くなっているものがありましたがどうしてでしょうか。
 
【おこたえ】

 確かに内側に黄色いスジ状の色が付着している切身が混じっていますが、これは鮮度低下や魚体の異常ではありません。
 この黄色い色は、主に内臓から付着したものです。さわら以外でも、さばなどで同様な内出血の跡のような例がみられます。
 漁業関係者によりますと、原因は漁場で水揚げされる際、押さえつけられた魚の一部で内臓が圧迫されて発生するようです。それも二つあり、内臓(肝臓、胆嚢)が傷ついて黄色汁が付着する場合と、食べていた餌により一部腹側の方から少し黄色く付着するものとがあるようです。この餌は主にカタクチイワシやイカナゴだとのことです。

【そして】

 さわらは従来対馬近海で水揚げされていました。しかし他の魚と同様にこれも最近は漁獲量が減少し、次第に漁場が遠方となり、今は黄海、東シナ海方面で12月〜1月頃まで漁が行われています。その分、魚体も傷みやすい事情はあるようです。
 加工メーカーにおいても、見かけだけの問題ではありますが、製造段階でできるだけ取り除くようにはしているとのことです。

 
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  26. たらフライに寄生虫混入
【 問 】 たらフライに赤い糸のような虫が混入していました。
 
【おこたえ】

 ご指摘の虫は、魚をはじめとする水産物に見られる寄生虫の一種で、ラジノリンクス(鉤頭虫類)と呼ばれるものです。体長は2〜3cmで赤橙色をしており、カツオ、サンマ、サバなどの腸にも普通に寄生しているものです。サンマには、ラジノリンクスゼルキルキーが、タラでは、エキノリンクスガジーがよく見られます。家庭でも内臓処理されていないサンマを調理する際、内臓付近に数匹見かけることがあります。
 ラジノリンクスは、人に悪影響を及ぼさないことが知られています。また、ラジノリンクスを含めこのような寄生虫は、冷凍状態(‐20℃で数時間)あるいは加熱(60℃で1分以上)することで死滅しますので、加熱調理したものを万が一、食したとしても人体に害を与えることはありません。

【そして】
 他にサバなどの寄生虫としてよく耳にするアニサキス(幼虫)がいますが、こちらは線虫類の一種で、白色をした1〜2cm程度のものです。サバの刺身やシメサバを食べて、腹痛等を起こすことで有名ですが、ラジノリンクスと同様に凍結と熱に弱いため、冷凍あるいは加熱により死滅したものは心配ありません。
 ラジノリンクスアニサキスに限らず、 水産物には数十種の寄生虫が見つかるといわれ、 むしろ寄生虫のいない魚はいないともいわれます。その点はご理解いただきたいと思います。しかし、見かけ上不都合なものですので、メーカーには加工の際の除去努力を求めました。
 
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  27. 生わかめのアミ混入
【 問 】 生わかめに、虫のようなものが付着していました。
 
【おこたえ】

 これは一種のプランクトン類で、あみと同類のものです。別に有害なものではありませんが、見た目が良くないものとして選別工程でのチェック強化を指示しております。しかし、時には、メーカー原料のロットにより、集中して混入・発見されることが続きます。このことにつきましては、展示協議会など様々な機会に説明しておりますが、この欄でも再度説明させていただきます。
 通常は冬2月位までに刈り採った原料を、産地で元茎・虫喰い部分の除去→湯通し→塩漬け→冷凍保管します。これを再度選別、カット、袋詰め後冷蔵し、製品化されます。
 わかめの生育時には様々な水中生物が共に生息しています。その中で混入しやすいものとして、ご指摘のプランクトン類がありますが、いずれもエビと同じ甲殻類に属します。それらの例として、あみ目あみ科のものや、端脚目よこえび科のものがあります。
 あみ科のものは、大きさが概ね9〜13mm程度です。多くの種類がありますが、塩分、水温の変化に敏感で、比較的分布が狭いようです。有明海に多いのは、つのながはまあみです。
 よこえび科のものは、大きさが概ね8〜12mm程度です。これも多くの種類がありますが、海産のものは沿岸の干潮線付近に多く見られ、砂中に浅い穴を掘って棲むものや海藻片を粘着させて巣を作るもの、また石の間や石の下に生息しているものなどがあります。九州に豊富に生息しているものの例として、にっぽんよこえびひめはまとびむしがあります。

【そして】

 このようにプランクトン類は海水温度や潮の流れなどの様々な要因でひとつの場所に多く発生することがあるため、養殖ロープが固定されていた位置によっては、今回のようにプランクトン類の付着量が多いわかめを刈り採ってしまうことがあるようです。
 メーカーとして、今後も産地の変更および袋詰め工程での選別を強化し、異物の発見など、製造管理にあたるとしております。
 なお、水産資源としても重要なおきあみは、同じ甲殻類のおきあみ目という別の類に属しています。図鑑からそれぞれの図が入手できましたので、ご紹介します。


[参考資料]
 ・「新日本動物圖鑑中巻」岡田要、他、北隆館、1982
 ・「原色食品図鑑」住江金之、小原哲二郎、建帛社、1984

 

 
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  28. まぐろ缶の魚肉が黒変
【 問 】 まぐろ缶の中に、魚肉の表面が黒ずんでいるものがありました。内部は正常な色調でしたが原因は何でしょうか。
 
【おこたえ】

 現品を検査した結果は肉質の劣化ではなく、加熱殺菌時の変色現象であると思われます。
 卵製品では時々見られますが、肉などの蛋白質を加熱することにより発生した硫化水素が、共存する鉄分と化合して硫化鉄を作り、これが灰色〜青黒色の点状または斑状変色となって現れるものです。一見するとカビや汚れのようでもあり、心配されますが製品そのものは別に害はありません。予防法は鉄分との接触を断つことですが、調味料などからの移行もあり完全には難しいようです。

【そして】
 似た現象としてまぐろ缶の場合、青肉といわれるものがあり、やはり加熱によって魚肉が青緑色を呈するため問題とされますが、今回の場合はこれと違うようです。 
 また血合肉の除去不十分の場合では、その部分が明らかな褐色の組織として残りますので判別できると思います。
 缶詰類は厳重な製造管理の元に作られており、適正な真空度が保たれていれば、4〜5年の保存期間が目安とされています。従って発生する事故の大部分は真空度低下による腐敗、膨張缶であり、一見してそれと判るものがほとんどです。
 
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  29. 芽ひじきに赤いひもの様な物が混入
【 問 】 芽ひじきに赤いひもの様な物が混入していました。
 
【おこたえ】

 早速調査しましたところ、当該物は赤スギノリといわれる海藻の一種でした。
 このスギノリは杉の新芽に形が似ているところからこの名が付いたと言われ、赤色の他黄色、青(緑)色のものがあります。赤スギノリは国内では対馬沖で採れますが、採取量が少なく貴重な海藻です。海藻サラダ等に利用される他、カラギーナンの原料でもあります。  又、スギノリによく似た海藻にイトフノリといわれる海藻があります。これも赤い色をしており、海中ではスギノリより鮮やかに感じられます。赤スギノリ同様、採取量は少なく、貴重なものです。 これも海藻サラダに利用される他、みそ汁に入れるなど珍重されています。
 両者とも端片を比較しただけでは区別がつきませんが、イトフノリは沿岸に近いところに生息しており岩に張り付いて生えていること、一方ひじきは沖の方に生息していることより、今回は赤スギノリが混入した可能性が高いと思われます。
〔引用資料〕  ・原色日本海藻図鑑   (山田幸男、瀬川宗吉、保育社、平成3年)  

いとふのり
すぎのり

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  30. 海藻サラダの色
【 問 】 海藻サラダに着色料は使用されていないのでしょうか。
 
【おこたえ】

  海藻サラダにはトサカノリキリンサイが三色に色を変えて使われています。これらはそれぞれの色の海藻が生えている訳ではなく、また着色料で着色するのでもありません。元々の海藻が持つ色素を取り除いて赤、緑、白の色彩に加工したものです。
 トサカノリは紅藻類の海藻で、赤の色素フィコエリトリン、緑の色素クロロフィルaフィコシアニン等幾つかの色素を持ちます。これらの色素をそれぞれ取り除くことで、赤色、緑色、白色に変えることができます。まず、赤色にするには原料を塩漬けにしたのち、天日に干して緑の色素クロロフィルaとフィコシアニンを抜きます。緑色にするには原料を食品用石灰でアルカリ処理して、赤の色素フィコエリトリンを取り除きます。更に緑色にしたものを塩漬け、天日干しを繰り返すと脱色されて白色になります。キリンサイも同様にして三色に加工されます。紅藻類でも全ての海藻が赤・緑・白になるわけではなく、また分類種群によって海藻の持つ色素の種類も異なります。                                                                              


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